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汗臭い?体臭の正体と対策。デオドラント化粧品の使い方!

美容

2021.05.09

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5月に入り、温かな日が増えてきましたね。少し動くと汗ばむくらい、日差しの強い日もあるほどです。そんな季節に気になるのが「臭い」。春から梅雨にかけては、夏ほど通気性は良くないために、衣服の中に湿気がこもりがちです。今日は、夏まで役に立つ「臭い対策」についてお話しようと思います。

 

■「汗をかくと臭いがする」は間違い!臭いの正体とは

「汗臭い」という言葉があるほど、汗は臭いイメージがありますよね。ところが、汗自体には殆ど臭いはありません。臭いの原因は、「菌の分解物」皮膚に存在する常在菌が皮脂やタンパク質を分解したり、それらが酸化されたりすることで臭い物質に変換されてしまうのです。菌は水分が多い場所で繁殖しやすい性質を持つため、湿気がこもりやすい脇などに多く存在しています。その結果、汗をかきやすい箇所が臭いが発生しやすくなるのです。

 

■汗には2種類あった!「エクリン汗」と「アポクリン汗」

汗自体に臭いはしないというお話をしましたが、厳密には「ほとんど臭いがしない汗」と「わずかに臭いがする汗」の2種類があります。前者は「エクリン汗」全身の皮膚に存在する「エクリン汗腺」から分泌される汗で、さらさらしていて、99%が水で構成されており、少量の塩分や尿酸、尿素、アンモニアなどを含みます。後者はアポクリン汗」脇や乳首、陰部付近など部分的に存在する「アポクリン汗腺」から分泌する汗で、毛包に付随していることからタンパク質や脂質などを含むためにやや粘り気があります。どちらも汗をかいてすぐには殆ど臭いがありませんが、時間が経つと菌たちの働きによって臭い物質が作られてしまいます。アポクリン汗には菌の餌になる物質が多く含まれているために、臭いが発生しやすいのです。

 

■臭いの原因は一つじゃない!臭い予防4つのポイント

1.食生活に気をつける

汗は何から出来ているか知っていますか?実は、汗の原料は血液。そのため汗は血中の成分、つまり食事の影響を受けやすいのです。におい物質が血液に紛れ込む要因は腸内環境の乱れ。通常、臭い物質は便やおならとして体外へ排出されますが、腸内環境の働きが乱れているとうまく処理できずに血中へ取り込まれてしまうことに。また、肉やバターなどの高カロリー・高脂肪食も汗腺や皮脂腺の働きを活発にし、臭い発生の原因となるのだとか(2)。

日本人が欧米人と比較して体臭が少ないのはアポクリン汗腺が比較的発達していないこともありますが、食事の影響もあると考えられています。野菜中心のバランスの良い食事を心がけると、肌や身体だけでなく、臭い対策にもなりますよ。

2.ストレスを溜めない

臭いの原因となるアポクリン汗腺は「精神性発汗」という精神的に興奮したり、緊張したりする時に活発になりやすい性質があります。緊張した時や、怒られた時にかく嫌な汗はアポクリン汗腺によるもの。リラックスする時間を持つことも、臭い対策になるのです。

 

3.運動などで汗をかく習慣をつける

運動や食事をして身体が熱くなった時に活発になるのはエクリン汗腺。全身に分布しているため、汗をかいて蒸発させることで素早く体温を下げようとする働きがあります。ところが、汗をかく習慣のない人は汗の中にミネラルを多く含んでおり、運動習慣のある人の汗よりねばねばしています。そのため、蒸発しにくく水分が残りやすいため、臭いの原因にこれは、汗腺の“濾過機能”によるもので、汗をかけばかくほど高まるという特性があるそうです。(1)運動はストレス解消にも役に立ちます。日頃から汗をかく習慣をつけておくと、一石二鳥ですね。

 

4.デオドラント化粧品を上手く利用する

夏になると様々なアイテムが登場するデオドラント化粧品。これらを活用しない手はありません。ところが、その使い方を間違えると効果を発揮できないことに…。デオドラント化粧品を正しく知って、効果的に臭い対策をしましょう!

 

●ロールオン、スティック、クリームタイプはお風呂上がりに!

臭いが気になる部分に直塗りするロールオン、スティック、クリームタイプ。実はこれらは汗をかく前の生活な肌に使うと最大の効果を発揮できるです。これらのアイテムには汗腺を収れんさせたり、プラグを作ったりして汗を止める「制汗剤」や、菌の繁殖を抑える「殺菌剤」が配合されています。製品によっては片方、または両方入っていることもありますが、何れにせよ“臭い発生予防の目的”で使いましょう。使用時には、塗布後にしっかり乾かすことを忘れずに。

 

●シートタイプは汗をかいた後に!

シートタイプの最大の特徴は“拭き取れること”。物理的に拭い去ることができるため、効果は絶大です。このタイプは肌に残る剤の量も少ないため、“臭いの対処”として使いましょう。

 

●スプレータイプは最も効果が弱い!さらさら気持ちいい素肌に。

最も気軽に使えるスプレーは、肌への塗布量が少なく、密着しにくいことから臭い対策の効果は最も穏やか。パウダーインのアイテムも多く、しゅーっと気持ちよく使える特徴があります。汗をかいてベタベタと気持ちが悪い時に使うと心地よく使うことができますよ。

 

まとめ

体臭の程度には個人差があるため、これらの対策を試しても臭いが気になる方は皮膚科などで受信をするのも一つです。汗の分泌を抑えたり、アポクリン腺や皮脂腺を除去する手術を受けると効果的なこともあります。今回お伝えした事は、基本的なことばかり。だからこそ、とても大切です。特に、食事や運動習慣は一石二鳥で出来るものではありません。今から生活習慣を意識して、この夏は臭いを気にせず気持ちよく毎日を過ごしましょう!

 

 

 

(1)花王HP「汗の基礎知識」<https://www.kao.co.jp/8×4/lab/article03/>

(2)ロート製薬HP「「体臭」の予防・対処法」<https://jp.rohto.com/learn-more/bodyguide/nioi/care/>

 

Written by 理系美容家かおり(Twitter ID:@RingRingKaoring)

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