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かかとがガサガサになるのはなぜ?効果的なボディケアの方法
美容
2022.02.16
寒い季節になると、いつの間にか脛(すね)やくるぶし、かかとがカサカサに…寝ている間に掻きむしってしまい、脚に傷跡が、なんてことはありませんか?
スキンケアについては調べると山のように情報が出てくるけど、効果的なボディケアの方法に関する情報は少ないですよね。今日は身体の皮膚科学とボディケアの方法についてお話しようと思います。
ご自身に最適なボディケア方法を知って、時短美容を叶えてくださいね!
下半身が乾燥しやすい理由①角層が厚いから
肌の最表面には「角層」があり、外部刺激や異物から身体を守ったり、身体から水分蒸発を防いだりする「バリア機能」を担っています。この角層がすこやかに保たれていると肌は美しい状態を保つことができます。
角層の厚みはよくラップ一枚分(約0.02mm)と言われますが、実は身体の部位によって異なります。例えば、顔の角層は7~10層であるのに対し、手足は14~15層。かかとは40層、くるぶしに至っては90層もあると言われています(1)。
角層が厚いと、体内から供給される水分が表面まで届かず、乾燥しやすくなってしまうのです。
下半身が乾燥しやすい理由②皮脂腺が少ないから
天然の保湿クリームと言われる「皮脂膜」は、皮脂線から供給される皮脂と汗腺から供給される汗が混ざることで皮膚を覆うことができます。しかしながら、皮脂腺の数は部位によって大きく異なります。
1平方センチメートルあたりの皮脂腺が最も多いのは頭部で、144~192個、次いで額の52~79個、頬は50~70個ですが、背中は34~44個しかなく、かかとはなんと一つもありません。
油分は皮膚の保湿効果を高めますから、皮脂腺の少ない部位では皮膚が固くなりひびわれしやすく、乾燥感もより感じやすいのです。
効果的なボディケアの方法は?
このようなお顔と違う肌状態を踏まえて、ボディケアはどのようにすれば効果的なのでしょうか?
角層が厚く、皮脂が少ない部位の角層はバリア機能が低いという特徴があります。バリア機能が低いと、水分が肌表面まで届けることが困難になってしまいます。
そのような肌に水分を与えても、水分を抱え込むことができず冬の強い乾燥状態は改善することができないでしょう。
湿度が低く、強い乾燥感を感じる冬のボディケアは油分配合のアイテムを使うのがおすすめです。特に、かかとやくるぶしのような頑固な乾燥にお悩みの箇所にはワセリンやスティック状の保湿アイテムなど、肌に蓋をする効果の高い油分がおすすめです。
ボディケアアイテムにはローション、ミルク、クリームなど様々ありますが、より乾燥にお悩みの方は少し硬めのクリームを、心地よく塗ることを優先したい方にはミルクタイプがおすすめです。
ローションタイプは夏などの肌状態が良い時に使用するようにしましょう。
ボディケアのタイミングはいつが効果的?
ボディケアの最適なタイミングは、ずばり『入浴後、10分以内』です。入浴をすると皮膚の水分量は一時的に増えますが、みるみる水分が蒸発し10分後には入浴前と同等程度、15分後には入浴前よりも水分が少ない“過乾燥状態”になってしまうことがわかっています。
そのため、入浴の保湿リミットは10分間。この間にボディケアで水分をキープすると、肌をすこやかに保つことができます。お子さんのお世話など入浴後が忙しい方は、お風呂の中でオイルを塗るインバスケアをすると、過乾燥状態までの時間を伸ばすことができます。またスプレータイプのローションでさっと保湿をしておいて、ゆっくりできる時間にミルクやクリームでしっかり保湿する方法もおすすめです。
スキンケアで最も大切なのは「続けること」。ご自身に合った方法でボディケアを楽しんでくださいね。
(1) 田上八朗「スキンケアの科学(南山堂)」
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Written by 理系美容家かおり