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「補色」を知って取り入れるだけで、オシャレ度アップ
カラー
2022.09.18
みなさん、こんにちは。カラーアドバイザーのえりかです。9月に入り、少しずつ最低気温も下がり始め、だいぶ過ごしやすくなってきましたね。とはいえ、季節の変わり目は体調を崩しやすい時期です。
フリミーのコラムには、健康に関するコラムがたくさんあります。ぜひコラムを読んで、健やかに過ごしましょう!
9月と言えば十五夜
さて、9月といえば十五夜。先日の中秋の名月は満月の日と重なり、オレンジがかったとてもきれいな月が輝いていました。みなさんのお住いの地域からはお月見できましたか?私はお月見の時期、花屋さんによく通っています。
十五夜は、旧暦では8月15日とされていました。新暦だと9月15日が十五夜と思われる方も多いと思いますが、年によって十五夜の日にちは変わってきます。
それは旧暦の時は1年の長さが354日だったのですが、明治6年1月1日から新暦が正式に1年365日と使用され始めました。この11日ほどの誤差により十五夜が毎年変わってきてしまうのです。もっと詳しく気になる方は、ググって見て下さいね。
十五夜では、飾りたい花の種類として、マムとリンドウがあります。満月に見立てたまんまるな黄色のマムと深い青色や紫のリンドウの配色が大好きで、毎年家に飾ったりもします。
見ているだけで癒されるので、ただ花屋さんで眺めるだけ・・なんていうことも多々あります。
色には、相性抜群な色の組み合わせがあります
花には花言葉があります。マムの花言葉は、清らかな愛、高潔、あなたを愛す。リンドウの花言葉は、あなたの悲しみに寄り添う、勝利、誠実、正義。どちらも素敵な花言葉ですよね。
この黄色と青紫の配色は、「補色」の関係にあります。補色とは、色相環で正反対に位置する色の組み合わせのことです。紛らわしいのですが、「反対色」という似たような言葉があります。
正反対の色を使うことによって、補色が色を引き立ててくれるのです。この補色には、代表的な3つの効果がありますのでお伝えしていきますね。
補色の代表的な3つの効果
こちらは補色を含めた補色に近い関係の色を指し、補色よりも該当する色の範囲が少し広くなります。補色には、代表的な3つの効果があります。
①物理補色
補色同士を混ぜると、なんと色味が消えて無彩色になるのです。この現象を物理補色と呼びます。理論上は黒になるのですが、実際は真っ黒になることはなく、濁った灰色になります。
小学生のころ、この理屈を知らずに絵の具を混ぜて、変な色ができてしまった経験はありませんでしたか?しかも一度混ぜてしまうと、他の有彩色を足しても、もうどうにもならない・・・そんな負のループに陥り、私はよく一から色を作り直した記憶があります。今では懐かしい思い出です。
②心理補色
補色の一方の色をしばらく見つめた後、白い紙や壁に目を移すと、残像として補色のもう一方の色が現れます。これを心理補色と呼びます。私たちの目は、ある特定の色を長時間見続けると、その色の波長に対する感度が低くなります。
その結果、逆の色の波長に対する感度が相対的に高くなり、白い画面に目を移したときに、残像が現れるます。有名な話ですが、外科手術を行う医師は、血液の赤を長時間見つめるため、補色である緑色の残像に悩まされてきました。
視線を動かすと残像も一緒に動くので、手術中の医師にとっては大きなストレスであり、残像が邪魔して手元が狂ってしまうと命の危険につながってしまいます。
そこで、現在では外科手術室の内装や手術着にも薄い緑色が採用され、目の疲れを最小限に抑えることができるようになりました。
③補色対比
補色の関係にある色同士を並べて置くと、より彩度(色の鮮やかさ)が高くなったように感じられます。これを補色対比と呼びます。
スーパーの精肉売り場のショーケースに緑色のマットが敷き詰められていることがありますが、これは補色対比によって肉の赤みが強調され、肉の鮮度が高く感じられるからです。
また、海で使用するライフジャケットが黄色やオレンジが多いのも、海の青に対してもっとも目立つ色(補色)になっているからです。最近はデザイン性に特化したライフジャケットもあります。
毎年海での残念な事故が発生してるため、デザイン性だけで選ぶのではなく本来の目的(海での発見されやすさ)を忘れずに選択してくださいね。
最後に
色相環を使って簡単にオシャレ度がアップできます。ファッションにおける補色配色では、メリハリの効いたカラーコーデが楽しめますよ。夏はビビッドな色同士がオススメですが、季節は秋に向かっていますので、少しくすんだ青と暗めのオレンジや、カーキと紫がオススメです。
いつもブラウンやベージュの同系色でまとめてしまう、という方も、今年は秋らしさも出しつつメリハリコーデを楽しんでみませんか?
色もそうですが、人も正反対の者同士が交わることによって、予想外の効果が生まれるものです。自分と趣味も合わない、価値観が全然違う、そう思っても、意外とうまくいったりすることも。
人と人のつながりは不思議なものです。人生いろいろ。色も人間関係も、どう楽しむかは自分次第です!
Written by えりか(カラーアドバイザー)