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秋の味覚「梨」には美容と健康の栄養がたっぷり
健康・栄養
2022.09.27
朝晩の気温差はあるものの、過ごしやすく、秋を感じるようになりました。秋と言えば食欲の秋。イモ・栗のおいしい時期ではありますが、秋の果物の中で特にオススメしたいのが「梨」です。今回は、梨(和梨)についてご紹介します。
梨について
スーパーなどで夏から秋にかけて目にする機会が多い、梨。古くから日本でも栽培されている梨は、今が旬です。梨は、和梨・洋梨・中国梨の3つに分けられます。中国梨は、あまり馴染みがありませんが、最近では、「ル・レクチェ」や「ラ・フランス」といった洋梨も見かけるようになりました。
これら3つの中で、市場に多く出回っているのは、和梨です。和梨には、赤梨と青梨があります。赤梨の代表格ともいえる品種は、「豊水」「幸水」などです。果汁が多く、甘みが口の中に広がります。果皮が茶色で、青梨に比べて表面がザラッとしているのが特徴です。一方、青梨の代表格ともいえる品種は、「二十世紀」「新世紀」などです。
さわやかな酸味と甘みがあり、すっきりした甘さです。また、果皮が薄い緑色で、表面がツルッとしています。秋が旬の果物はたくさんありますが、梨をオススメする理由は、秋の不調を整えてくれるからです。梨は、水分が多くみずみずしいため、夏で疲れ切ったカラダに潤いを補給します。
梨は健康・美容の栄養がたっぷり
秋の代表的な果物で知られている梨。みずみずしさと甘さを感じることから、梨を好きな人も多いのではないでしょうか。しかし、梨の9割近くが水分のため、栄養が少ないと思ってはいませんか。
疲労回復
梨には、アミノ酸の一種であるアスパラギン酸が含まれています。アスパラギン酸は、疲労物質である乳酸を分解してエネルギーに変えるため、疲労回復に役立ちます。
便秘予防
梨のシャリシャリした食感は、リグニンやペントザンという成分からできた石細胞によるものです。不溶性食物繊維の一種であるリグニンと、同様の働きをするペントザン。これらの不溶性食物繊維は、便のカサを増やし、腸を刺激します。便秘を予防することで、美肌にもつながります。
胃腸の働きを高める
タンパク質分解する酵素である、プロテアーゼが豊富に含まれています。消化を促し、夏バテ気味の胃腸の働きを高めます。他にも、果糖の一種であるソルビトールは、整腸作用があります。
おいしい梨の見分け方
梨を買う時、おいしい梨の見分け方がわからず、なんとなく手にとって買っているのではないでしょうか。
ずっしりと重みがあり、おしりがふっくらとしているもの
見た目が大きいものを選ぶのではなく、同じ大きさのものでもずっしりと重さがあるものを選びましょう。重みがあるものは、水分をたっぷりと含んでいるので、みずみずしい食感を楽しめます。また、おしり(軸のないほう)へいくほど甘みが強くなります。
果皮にハリがあり、軸が太いもの
果皮にハリがあるのは、元気に大きく育っている証です。また、軸が太いものは、栄養をしっかりと吸収できています。
皮の表面がツルツルのもの
果皮のザラザラ感(茶色い斑点)は、熟れるにつれて減っていきます。そして、食べごろになると表面はツルツルしています。
最後に
梨は、昔から生薬として用いられており、肌に潤いを与え、のどや肺を潤し、乾燥による症状をやわらげます。肺や呼吸器の機能が弱る秋には、梨はオススメの果物です。おやつとして食べるだけでなく、肉料理との相性も抜群です。梨をすりおろして、肉を漬け込んだり、肉と煮込むことで、タンパク質の分解をするプロテアーゼが肉を柔らかくします。
これから、様々な品種の梨があちこちで並びますので、是非手にとってみてください。
Written by 管理栄養士てるみん(instagram ID:@daisy_commune)